こんにちは、福田栗作(@kurisakunchi)です。このブログでは注文住宅や雨水タンクに関する話題についてユーザー目線で解説しています。
そろそろ家が完成するけどガスの契約どうしよう…
家造りでオール電化ではなくガスコンロを使おう、ガス乾燥機を導入しようと決めたもののさていつ、どこに申し込めばいいかわからないまま地鎮祭や棟上げまで進んでしまいます。我が家もそうでした。この記事では我が家の事例を紹介しながらガスの契約を遅くともいつまでに考えて、ハウスメーカーや工務店に連絡すれば良いのか、ガス契約に関する注意点を紹介していきます。
注文住宅はガスとオール電化、どっちが多い?
オール電化の普及率
オール電化がどれくらい進んでいるかご存知ですか? 最近では賃貸の物件を借りに行ってもIH式の台所をよく目にしますよね。実際はどれくらいでしょうか。
2017年に行われた電話調査(20~69歳の男女5000人を対象)※1で、「あなたのご家庭で導入されているものは?」という質問にオール電化と回答したのは17.6%に上りました。昔の住宅なども含めるとオール電化の割合が少なそうですね。では、新築市場ではどうでしょうか。
経済産業省のガスシステム改革小委員会で2013年の会合で提示された資料※2では、「オール電化率は30%を超え、地域によっては60%を超えている」とされています。
地域 | 全国 | 北海道 | 東北 | 北陸 | 関東 | 中部 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 |
電化率(%) | 32.1 | 42.5 | 48.4 | 63.3 | 22.5 | 31.9 | 28.5 | 49.2 | 61.2 | 46.7 | 19.8 |
家のエネルギー収支をゼロ以下にするZEH住宅の推進もあって、オール電化率は今のほうがもっと高くなっていると見てよいでしょう。
ガスのデメリット
そんなかでガスを選ぶとどんなデメリットがあるでしょうか。
火災の原因になる
言わずもがな、火を使うことになるので火災、火事の原因になります。経済産業省製品安全課の報告書※3には「IH調理器は事故件数が増加したものの、電子基板の一部のショート等が多く、ガスこんろに比べ、大きな火災にはならない傾向」と指摘してあります。
また、東京消防庁の記者発表資料※4をみると過去10年間の火災状況をみると火災件数はガスこんろがIHクッキングヒータの3倍以上ありました。普及率を考えると危険度が倍になるとは言えないものの火災件数自体はガスのほうが多いといえますね。
07年 | 08年 | 09年 | 10年 | 11年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 計 | |
IHクッキングヒータ | 9 | 10 | 9 | 14 | 13 | 14 | 16 | 10 | 20 | 21 | 136 |
ガスコンロ | 52 | 44 | 40 | 25 | 45 | 41 | 42 | 38 | 57 | 42 | 426 |
夏場は暑くなりがち(住宅の性能による)
火を使うので夏場のキッチンは暑くなる傾向があります。
我が家も高気密高断熱住宅で夏場はエアコンをつけっぱなしですが、キッチンで料理するときはたまにうっすら汗ばむことがありました。インスタントのラーメンを作っているときに湯を沸かして茹でてるときとかはどうしても暑くなりがちです。
家の構造やエアコンの配置などにもよるけど、やはり夏場の暑さは気になる人はとても気になると言えるでしょう。
ガスコンロのメンテナンスが面倒
ガスコンロはIH調理器とくらべて、部品が多くなります。五徳やガスが出る部分などは使っていけば当然汚れるので掃除が面倒です。
毎日、台拭きで拭き掃除をするにしても五徳をどかしてコンロの上をふいて、五徳もさっと汚れを落としてから五徳を戻して、、、と手間が多い。掃除が苦手だったり、めんどくさいという人にはIHのほうがヒーター部分を拭くだけで済むので楽でしょう。
ヒーター部分の天板が割れると修理費がめちゃくちゃかかるという点は恐怖でしかないですが、日々の手軽さを優先するならIHです。
ガスコンロがオプション扱いになる場合もある
最近はIHが主流なので、ガスが使えるタイプのコンロにしようとするとオプション扱いになるケースもあります。ハウスメーカー、工務店、台所を作っているメーカー次第なので絶対にかかるというわけではないですが、オプションのメーカーもありました。
我が家もタカラスタンダードがそうで、オプションにしてまでつけるのも、、、と考え他の会社から選びました。オプションといっても数千円程度ですが、気になる人はIHを選択したほうがよいかもしれませんね。
我が家がオール電化にしなかった理由
これだけみるとIHにしたほうがいいのでは? と思いますよね。それでもオール電化にしなかった理由をガスの契約などの話の前に紹介したいと思います。
災害対策
我が家の作るときに大事にしていたのは「災害に強い」ということ。地震などで電気が使えなくなったときにオール電化の家だと何もできなくなってしまいますよね。すぐに復旧すれば問題ないかもしれないけど、いざという時に備えたいという思いは強くありました。
実際に東日本大震災のときにはLPガスが4月21日、都市ガス5月3日、電力が6月18日の順で全面復旧しました※5。平成30年7月の西日本豪雨災害のときにも都市ガスは236戸、小売のガス(LPガス)は936戸と被害がすごく少なかったという事実があります。
災害時に電気以外のライフラインを持つのは大事だと思ってオール電化はさけました。
料理は火を使いたい派
あとは月並みですが、やっぱ料理に火を使いたい。
IHだとどうしても熱の伝わり方が良くない。その上、IH用の調理器具を買わないといけないのも億劫で、ガスコンロのほうが良いと判断しました。
夏は少し暑いけど、高気密高断熱住宅なら気にならないです。デメリットをそこまで感じなかったのも大きなポイントです。
ガスの契約はいつごろ?
我が家のケースを紹介します。このスケジュール感が絶対ではないですし、我が家は割りと直前だったので余裕をもってガス契約をしている方もいると思います。
新築住宅って色々考えることが多くて地鎮祭から完成まで結構あっという間ですよね。我が家も棟上げとかで一段落するかなとおもったら、打ち合わせがまだまだあるという状況に四苦八苦。外構も自分たちで探してやると決めたらからてんやわんやでした。
家造りがどんどんすすんで、施主検査もしてゴールが見え始めた中でふと疑問に思ったのが「ガスの契約ってもうしてあるんだっけ? 自分で探すんだっけ」。当時はお金を巡って工務店側と少しいざこざがあったので施工技術は信頼しているけど、金銭面では極力自分でやりたいスタンスになっていたのもあり、工務店側に施主検査から1週間後に確認しました。
電気、ガスの契約はこちらで見繕って行うという認識であっておりますでしょうか?
ガスの方は、開栓工事にお立会いいただくことになるので、お引渡し日やお引っ越し時など
ご都合よい日をお聞かせいただけたら、ガス業者さんを私どもの方で手配させていただきます。
開栓の時から料金が発生するため、お引越しの時の方が料金は安くなるかと思います。
こちらはすでに福岡工務店さまのほうで指定されているという状況なのでしょうか?
こちらとしては契約してない、料金体系が不明の会社のものがすでに設置されている状況に当惑しております。
生活の日々の支払いに直結する話で、各社比較検討したいのですが…
というやり取りを経て、工務店側と懇意のガス会社と、新居近くのガス会社から料金表をもらって検討しました。
比較して驚いたのが同じプロパンガス料金が全然違うということ。引っ越しとともに工務店側の料金表を捨ててしまったのですが、月数千円レベルで変わりました。
その後、引き渡し前までには撤去してもらい、ガス屋さんにプロパンガスを設置してもらいました。引き渡しから引っ越しまでに時間があれば、引き渡し前までに自分で探す旨をお伝えして、契約してしまえば大丈夫ですよ。
新築住宅のガスを巡る注意点は?
配管工事代の確認
新築住宅のガスの配管工事はどれが施工しているのでしょうか?工務店? 多くがガスの設置業者だと言われています。この設置業者がそのままガスの契約先となることがほとんどなので、注意が必要です。ここで会社をそのまま契約した場合、配管工事代が月々の使用量に上乗せされている可能性があるので心しておきましょう。
そして、ガスの契約先を自分で選びたいとなった場合に絶対したほうがいいことが「配管工事はだれが負担しているのか」です。これを自分たちの負担にさせないための手順を紹介しますね。
- 工事契約請負書の契約内容にガスの配管工事の費用負担に関する記述がないことを確認する(たぶんないはず)。
- ないことを確認した上で、ハウスメーカー・工務店側に「念のため確認ですが、ガスの配管工事の費用も本体工事の価格に含まれておりますでしょうか」と聞いておく(できればメールか録音して証拠をとっておくとベスト)。
- 含まれると返事が来たら、ハウスメーカー・工務店側が負担しているということなので、ガス会社の契約変更を申し出て、当初予定していたガス会社の料金プランをもらう。
配管工事代に含まれないと返ってきた場合は、工事請負契約書には配管工事の費用について言及がないことを理由に施工費に含まれているという認識だったと主張すると良いでしょう。
ここの工事代金はすでに支払いしてるという確認をしていない場合、自分たちで探したガス会社に難色を示されることがあります。未確認の状態で相談に言ったときに1社は明確に断られ、今契約しているところは入念に「うちの負担にはならない」ということを確認していたのでしっかり確認しましょう。
料金のチェック
もう一つが料金のチェックです。せっかく別の会社にしようとしても料金が高くなってしまったら無意味ですよね。なので料金体系はしっかり見比べると良いでしょう。
主な料金体制を紹介しますね。
- 従量単価料金
- 使った分だけ支払うタイプ。
- 単純二部制
- 基本料金+使った分だけ支払う。
- 逓増型二部制
- 基本料金+使った分だけ支払う(使用量に比例して料金が高くなる)
- 三部料金制
- 基本料金+使った分の支払い+設備利用費などの諸経費
料金体系の比較でチェックするポイントはまず基本料金が高いかどうか。基本料金の中に配管の設置費も含まれる事があります。実際にエルピーガス振興センターの報告書には以下のような記載がありました。
家庭用の料金表について、各料金体系の適用比率(平均値)は、「単純二部制」が43.0%、「逓増型二部制」が29.7%と両者で7割以上を占め、主力の料金体系となっている。一方で、「三部制」の料金体系の適用比率は3.3%に止まり、消費設備の費用負担を強いられるもLPガス料金に転嫁できない、あるいは、転嫁していることを明示できない、といった事情も影響していると思われる。
エルピーガス振興センター「石油ガス流通・販売経営実態調査 報告書」
使った分だけ料金を請求せずに基本料金などを設定する理由として、設備負担をガス料金自体に組み込んだり、負担してもらってることを明示できない可能性があるみたいですね。つまり、設備費を基本料金などの中に組み込まれている可能性があるので高いか安いかよく見ておく必要があります。
ガス警報器のレンタルは断る
ガス警報器のレンタル・リースをしたほうが迷う方もいると思います。せっかく建てた家が火災で焼け落ちたらめちゃくちゃ悲しいし、月々数百円でそんな思いをしなくてすむならあったほうがいいと思う気持ちもわかります。
でも、これ、数千円で購入できます。嘘だと思う方はぜひ下のリンクから飛んでみてください。
仮にレンタル料金を月200円だとしたら2年以上使ったら損するケースも出てきます。なのでどうしても必要だと感じるならば、レンタルではなく、自分で買ってしまいましょう。
ガス会社の選び方
ガス会社を自分で選んでみてわかったのですが、自分の脚で会社を訪れて料金を確認してというのは結構骨が折れました。地域の身近なお店にすると信頼できるし、何かあったときの対応も近いほうが物理的にすぐ来てもらえる可能性もあります。
でも家の近くになかったら結構たいへん。料金の比較は紙を眺めるよりもウェブサイトで見比べるほうが断然見やすいです。なので、比較サイトを利用するのがオススメ。
【ガスチョイス】なら24時間受け付けていて、1番安いガス会社がわかります。今はガスや石油の価格は上がっているので安いところ、良心的なところにしないと値上げ値上げと続いて結局高いところに契約してしまう可能性もあります。
なので、プロに無料でプラン比較をしてもらうのが一番楽でお得ですよ。今なら最大30,000円のキャッシュバックも受けられるので、ハウスメーカーや工務店におまかせしてそのままガス契約したら損とも言えます。
まとめ
- ガスの最大のメリットは災害時に強く、火を使って美味しい料理が作れる。
- 火災の原因になったり、夏場が暑かったりするデメリットには注意。
- 基本料金に工事代金などが含まれるパターンがあるので契約先の検討時に絶対に注意深くみること。
- ガス漏れ警報器はレンタルではなく買ったほうがお得。
ガスにすることのデメリットは確かに多いし、今はオール電化のほうが主流です。でも、やっぱりガスにはガスの良さがあるので、導入を決めた読者の皆さまは美味しい料理が食べれたり生活の質が上がると信じてます。
ぜひ変な会社を掴まないように契約時に注意してみてください。
ガスの良さでいうと、強火でガンガンものを熱することができることも魅力の一つだと思います。すぐ沸くやかんを強火にかけると1Lの水も3分半ていどで沸騰します。本当か?って思いますよね。本当です。気になる方はすぐ沸くやかん「キューブケトル」のレビュー記事もありますので、ぜひ御覧ください。
参考文献
※1:平成29年度電力市場環境調査(電力小売全面自由化広報フォローアップ調査)
※2:経済産業省「第1回 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会」の資料3「簡易ガス事業制度の概要」
※3:経済産業省「平成29年の製品事故の発生状況等について」
※4:東京消防庁「調理機器・電気機器の火災に気をつけて!」
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