こんにちは、福田栗作(@kurisakunchi)です。このブログでは注文住宅や雨水タンクに関する話題についてユーザー目線で解説しています。

シンボルツリーにカキを植えるか迷っているんだけど…
200人にご自宅のシンボルツリーに関するアンケートを行ったところ6人が植えていると回答し、8番人気だったのがカキ。お庭に植えてみたいと考えている人向けに、回答者が実際に植えて感じた「良かった点」や「後悔・失敗したポイント」を紹介していきます。実際にカキを植えた人の本音なので参考になると思います。
カキの基礎知識
カキの基本情報
- 分類:カキノキ科カキノキ属
- 原産地:日本自生説や中国から渡来した説がある。
- 開花時期:5月
- 果実熟期:9~11月
- 樹高:5~15m(落葉性小高木~高木)
- 剪定:12月上旬~2月が適期
- 実のなった枝は切り取る。
- 充実した新しい枝は残す。

渋柿と甘柿に関する豆知識
カキは本来、渋柿でしたが、日本で甘みのあるものを選抜していった結果、甘柿が生まれたとされています。その歴史は13世紀まで遡るそうです※1。
渋柿と甘柿の違い※2
読んで字のごとく実に渋みがないのが甘柿、渋くて食べられないのが渋柿ですが、甘柿の中にもまだ成熟しきっていない時期の実には渋みがあります。
甘柿の中でも、自然に渋みが抜けるのを「完全甘柿」といい、「富有」「次郎」「伊豆」などの品種があります。
夏秋に高温でないと渋みが自然に抜けないため、東北地方などでは栽培されない。
一方で、種子ができて果肉が黒くなると渋みが抜けるタイプを「不完全甘柿」といい「西村早生」「禅寺丸」などの品種がこれにあたります。
完全甘柿よりも広い地域で渋みが抜けるという。
渋柿は完全に軟熟させると渋みがなくなります。
カキを植えてはいけない?※3
「日本俗信辞典」に植えると悪いとされるものの1つにカキは紹介されていました。
その理由は地域によってさまざま。福井では「病気に関わる」、鹿児島では「家運が悪くなる」からだという。
そのほかには屋根より上に伸びると凶兆という言い伝えから、広島でも避けられているといいます。
一方で、三重では家相の観点から「家の前に植えるのは悪いから、東に植える」とするところもあるようです。
この他に植えてはいけない木として、ツバキやツツジが紹介されていました。それぞれ記事中で紹介してますので、気になる方は合わせて御覧ください。


カキの育て方※4
- 植え付け
11~3月(厳寒期の1月を除く)の休眠期に日当たりのよい場所に植えるのが最適。
接ぎ木部分は埋めないこと。
植え付け直後は倒れないように支柱を設置する。 - 水やり
植え付け後しばらくは乾いたら水をやる。
根付いたら水やりは必要ない - 施肥
12月に寒肥を、7月に追肥、収穫後にお礼肥を施す - 剪定
行わないと「隔年結果」が起き、収穫できない年が出てくる。 - 摘蕾(てきらい)、摘果
つぼみを取る摘蕾は、3つの蕾は1~2個、4つは2個残し、2個以下なら全部落とす。
余分な実を落とす摘果は、自然に実が落ち終わった7月に葉20枚に1果となるようにする。
カキの害虫※5
- カンザワハダニ
- 葉の汁を吸う害虫。座れると黒っぽい斑点ができる。
- アザミウマ類
- 果実に影響を与え、斑点や痕ができる。
- 開花期の前後に防除を行う必要がある。
- フジコナカイガラムシ
- 年3回発生し、幹の隙間や切り口に幼虫が越冬。4月に新梢に移動し5月に成虫になり産卵する。5月下旬~9月下旬まで3段階に分けて発生する
- 5月~6月下旬までの1段階の幼虫を中心に防除を行う。
- カメムシ
- 夏に加害されると多くは落果する。それ以降は落ちないが被害を受け場所が凹み、スポンジ状になる。
- 幼虫は杉とヒノキで繁殖するため、これらの木の寄生状況を観察していくと防除がはかどる。
この他にも色々な害虫がつきます。虫が苦手な人はあまりおすすめできない樹種と言えます。
カキを植えた人の本音
調査の概要
クラウドワークスを利用して、「シンボルツリーに関する調査」と題して2022年10月23日~24日に調査を行い、110件の回答を集め、追加で2022年10月25日~30日に90件の回答をいただきました。
質問内容は以下の3問で自由回答形式です。
- ご自宅に植えているシンボルツリーの樹種を教えてください。
- シンボルツリーを植えて良かった点、気に入っているところを教えてください。
- シンボルツリーを植えて後悔している点、失敗したポイントを教えてください。
この調査の結果で、カキは6票獲得し、8位でした。1位のオリーブ、2位のシマトネリコ、3位のハナミズキについても同様にまとめています。シンボルツリーの樹種をお迷いの方は合わせてご覧ください。
なお、200件の回答結果をまとめてランキング形式にまとめた記事もあります。他の樹種について迷っている人はこちらも合わせて確認してはいかがでしょうか。




また、生け垣についても同様に調査を行い113人から回答を得ました。こちの結果をランキング形式でまとめてみました。気になる方は合わせてご覧ください。
カキを植えてよかった点
- 手入れもしやすくなおかつ実も食べることができるのがいい。
- 秋になると美味しい柿が食べられます。
- 毎年実をつけてくれるので、店で柿を買わなくていい点。柿の実目当てにスズメなどがやってきて癒される。
また、やってきた鳥たちがフンを落とすのだが、そこに混じっていた種から色んな花や野菜が芽吹くことがあり、庭が華やかになる。
亡くなった祖父の家からやってきた木なので、祖父を思い出すことができる。 - 子どもの成長ともに木が大きくなる
- 秋に収穫ができる点。
- 実家にあったものを植えた。もう実家は無くなってしまったが、柿の木を見ていると両親との思い出が甦ってくる
植えてよかったと感じる理由に実を収穫できる点をあげる人が6人中4人いました。季節の味を楽しめるのはやはり嬉しいポイントと言えそうですね。
実をつける樹木ではウメがカキと同じく6票獲得し、8位でした。この記事と同様にウメの基本情報やウメを植えた人が感じた良い点、後悔などをまとめています。また、ジューンベリーについても同様に記事がありますので、他にも実のなる木で迷っている方などはあわせてご覧ください。


カキを巡る後悔・失敗
- 掃除がめんどくさい。
- 鳥害があって、庭に糞を落とされます。
- やってくる鳥たちは可愛いのだが、柿を取り合って騒ぐので少々うるさい。
枝がかなり太く長くのびるので、台風などで強風が吹いたときには少し危ないと感じる。 - 木の周りの雑草の手入れ
- 虫が多くなってしまうので、掃除が大変。
- 鳥が沢山集まってくる、柿泥棒がいて敷地内に勝手に入ってくる
実がなる分、落ちたときの掃除の面倒ささに悩む人は一定数いるほか、鳥の糞に困っているという声も上がっていました。
まとめ
- 実がなるので旬の味を楽しめる。
- 掃除や鳥の糞害に悩む人も一定数いる。
- 害虫の種類が多くつど対策が必要になるのがデメリット。
カキを植えて良かった理由の多くが、実がなるという点でした。一方で悩みは掃除が面倒、鳥の糞害に悩まされるなどの声が上がっていました。
カキを植えるかどうかを考える際の御役に立てたら嬉しいです。
余談ですが、植えるのも切るのも樹木について悩んでいる場合はプロにおまかせするのが一番です。植物は話しかけたり仕草を見せたりしないので自分の行なったことが正解だったのかわからないのが育てる上で一番むずかしいポイントです。管理人も実際に生け垣を管理していてもこれであっているかよくわからないまま過ごしてます。
そういう不安がある人は年間受付件数20万件以上を誇る、その道のプロ「【剪定110番】」に相談してしまいましょう。24時間受け付けている電話相談、プロが実地で見てくれる現地調査、現場を見た内容に基づく正確なお見積もりの3つが無料でしてもらえます。もちろん作業後の追加料金はなしで全国どこでも対応可能です。庭木1本から対応しているので気軽に聞いてみるのがオススメです。

シンボルツリーに関する情報以外にも外構のスケジュール感や減額方法など外構に関する基礎知識や役に立つ情報をまとめています。もし興味がありましたら、御覧ください。
参考文献
※1:五條市「甘い柿は日本特産!?」
※2:農研機構「今が旬の「カキ」のお話」
※3:飛田範夫「庭園植栽の禁忌」
※4:綾川市「saienn5.pdf」
※5:福岡県「【果樹】 病害虫・雑草の発生生態と防除」
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