幼児期に食べ物の好き嫌いを直したいけど、上手くいかない…と悩んでいる全国の親に伝えたい事があります。「好き嫌いは気にしすぎなくていいけど、放置したらヤバい」という事です。
みなさんは自分の子どもの成長をながめていて、「このままで大丈夫だろうか」と焦るときはありませんか? 幼児期だと、お友達はできることができなかったりすると不安になってきますよね。食に関しても、「本当にサラダ食べないんだけど…」「お友だちはピーマンを食べられるのに、うちの子は全然…このままだったらどうしよう」って心配になってくると思います。
しかも、これまで食べていたものを急に食べなくなるということも出てきて、ますます「このままだったら…」ってなっていきますよね。
一つでも喜んで食べてくれる食材が増えてほしいと思うのは無理もありません。
子どもの好き嫌いや偏食を放置したら?
しかし、子どもの偏食については「親の能力が足りないせいではない」ので、まず安心しましょう。
小児科医のDr.リノさんは「子どもの好き嫌いは一定せず、昨日まで食べていたものでも今日は食べないなどはザラ」とも指摘しています※1。
とはいえ、絶対に食べないものってありませんか? ウチの娘の場合はサラダ系、特に葉物なのですが…。苦手なものを放置して偏食のままでいたらどうなるのでしょうか?
偏食を放置すると栄養バランスが崩れて体に悪いという他に、「精神的に不健康になり、非行児や登園登校拒否など繋がるために矯正が必要」と相模原女子大学の井美昭一郎教授は日本食生活学会誌で述べています※2。
また、医療少年院に入所している子どものほとんどで偏食がみられたそうです。子どもの偏食を放置すると「劣等感や異質感をもつようになるなど、社会適応性に問題が出る」可能性が高まってしまうとしています。
しかも、小学4年生~6年生の親600人を対象にした「野菜の摂取と成績に関する調査」では、野菜を食べるのに積極的な子どものほうが、消極的な子どもよりも成績が良いという傾向がありました※3。
座学の国語、算数、社会、理科の成績だけでなく、体育も含む5教科すべて、直近の通知表で「よくできた」と回答する親が多い結果になりました。
偏食の影響って想像以上に大きいですよね。
好き嫌い・偏食なくすために、親ができることは?
幼児の偏食を矯正するために親ができることはたったひとつです。井美教授の言葉を借りて紹介します。
子どもの嫌いなものを「食べてみよう」という気持ち、「食べられた」という自信を大事にする。
これだけです。これだけと思うかもしれないけど、意外と難しいですよね。特に食べてみようって気持ちにどうするか本当に悩むと思います。
代わりに他の食材ですませてしまったり、「食べなさい」って強制しちゃって嫌な思いをさせてしまったりしてしまいがちになっていませんか?
とっとと洗い物して休みたいってときもありますよね。また、本当に食べてほしい、苦手なものを克服してほしいって気持ちが先走って、子どもの気持ちまで目がいかなくなってしまっているかもしれません。
いかに「ちょっと食べてみようかな」って気持ちにさせるかが子どもの偏食を解決するためのカギともいえます。
我が家では偏食の矯正に家庭菜園が最強だった
でも、どうやったら子どもが食べてみようって思ってもらえるのでしょうか。料理を工夫しても食べないときは食べないですよね。「苦手なもの避けるときの箸さばきやたら上手い」って謎スキル発動させたりしますし。
そこでオススメなのが、一緒に料理をする、あるいは一緒に家庭菜園で素材そのものを作るです。
自分でやってみるって子どもに本当に有効。「自分が作ったごはん」「自分が育てたお野菜」っていう愛着感をうまく使って、苦手意識をそらしてあげるとよいです。
実際に、「農業林業体験をするといいことがある」って農林水産省が紹介しているのですが、作物を栽培すると好き嫌いが改善したってデータもあります※4。
また、食に対する関心や感謝の気持も作物を栽培すると高まると報告されています。
たしかに、我が家で家庭菜園をしているんですが、サラダ系が苦手な娘も去年の夏、トマトと緑のカーテンで育てたキュウリは「美味しいねぇ」って言いながらむしゃむしゃ食べてました。最近では育ったえんどう豆を自分で収穫して、卵と一緒に炒めたものを食べたり、苦手だった野菜をとりあえず食べてみるって気持ちになってました。
あとは、椎茸の原木栽培もしたことがあるのですが、そのときは「しいたけちゃん大きくならないかなぁ」って言いながらニョキニョキ生えているしいたけをながめて、それまで食べなかったしいたけもパクっといってました。なぜか相乗効果で一緒にしめじも克服してたので、食育すごい笑。
家でもできる原木シイタケの栽培方法のまとめ記事やプランターを使って緑のカーテンづくりやいちごの栽培をプランターの使用感とともにまとめた記事もありますのでもしよかったら見てみてください。
家庭菜園に興味をもったら、レンガの花壇をDIYしたときに資材だけ買ってなんとかなった話も紹介しています。こちらもあわせてどうぞ。
家庭菜園できない場合は?
そうはいっても、マンションぐらしで家庭菜園なんてできない。戸建てでも敷地内に菜園スペースを作るのはちょっとしんどいですよね。偏食なおすためだけに畑作るの大変ですし…。
そこでオススメしたいのが、「畑をレンタルしちゃう」です。
家で野菜を育てるのって大変ですよね。土作って、種や苗を用意して、肥料を選んで、さらに毎日水やりやお手入れをしてって子育てで忙しい中でやるのかなり余裕がないとできないと思うんです。
でも、「シェア畑」なら週1回、手ぶらで通うだけでも大丈夫。さらに農園にアドバイザーが基本的にいるので、育て方で困ることもないと至れり尽くせり。恥ずかしい話、私は変な時期に種まきしてそら豆を失敗したり、なぜかいちごが根付かなくて枯らしたりと上手くいかないことばっかりです。なので、すぐ聞けるプロがいる環境はめっちゃ助かりますよ。
また、「シェア畑」では無農薬なので安心して食べられるのもおすすめポイントです。採れたてで鮮度が最高なのは間違いないので、苦手な食材でもそのまま丸かじりでがぶりといってしまうかもしれませんよ。
まとめ
- 小さい頃はある程度の好き嫌いは仕方ない
- でも、偏食を放っておくと精神的に不健康になり悪影響は必至
- 偏食を直すのに家庭菜園は有効
- 家庭菜園できない場合は、畑をレンタルしちゃう
自分で野菜を作ってみて、子どもの好き嫌いを克服してみましょう。
子どもが笑顔で「美味しい、美味しい」って言いながら食事してくれるのって見てるこっちも嬉しくなってきますよね。そんな食卓をめざしましょう。
参考文献
※1:Dr.リノによる【子どもの偏食】に関する解説スレッド
※2:井美昭一郎「育児学からみた子どもの偏食」(日本食生活学会誌 Vol.5 No.3 1994)
※3NEO MARKETING「野菜の摂取と成績に関する調査」
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