こんにちは、福田栗作(@kurisakunchi)です。このブログでは注文住宅や雨水タンクに関する話題についてユーザー目線で解説しています。
夢のマイホームにお風呂にカビが生えたら…怖すぎる…。
念願の新居で暮らし始めたけど、お風呂場にカビが生えたらって考えるとゾッとしますよね。私も引越し前の家がカビすごく生えやすかったので、新居で絶対にこれだけは避けるって引越し前から決意してました。
この記事でわかること
- 風呂場に発生するカビの正体
- 黒カビも赤カビも発生させない方法
- カビが発生しやすくなるNG習慣
生態を調べて対策しているのですが、入居してから1年がすぎてもお風呂場でカビを見ていません。どのような対策をしているのか、簡単にできる3つの習慣を紹介していきます。
風呂場に発生するカビの正体
どの場所にどんなカビが多く存在するか図にまとめました※1。
それぞれのカビがどのような特徴があるのかまずは確かめていきましょう。
黒カビ
クラドスポリウム。お風呂だけでなく空気中にも存在するカビで、食品や衣類にも生える厄介者。
胞子をよく吐き出すが、湯に弱いので41℃以上のお湯をかけると胞子の発芽力に大きなダメージを受けることが報告されている。お風呂場ではお湯が届きにくく、掃除があまり行われない天井や壁の上部にコロニーを形成する※2。
寝室で布団を敷いたら浮遊菌、落下菌が増えるか測定したところ、布団を敷いた直後から20分の間に数が約5倍に増えたという※3。それぐらい当たり前にいるカビなので、どうあがいても浴室に入ってくると思っておいたほうが良さそう。
赤カビ(ピンクヌメリ)
赤カビと言われるが正確にはロドトルラという酵母またはメチロバクテリウムという細菌。土壌や水の中にも存在しているのが特徴。
増殖スピードが早いことでも知られる。つまり、どこにでもいるから放っておくとすぐに生える厄介な存在。しかも乾燥に強いくせにほんの少しの水でも繁殖できる点がたちの悪い。効果的に殺すには60℃の加熱処理が顕著な結果を得られるとされる※4。
海苔のようなカビ
浴槽の下や排水口に海苔のようなフヨフヨした黒いカビを見かけたことありませんか?
これは先ほどの黒カビ(クラドスポリウム)とはまた別の「エクソフィアラ」というカビ。傷口に侵入すると炎症を起こすこともある毒性のあるカビなので要注意です。加湿器にも生えるので気をつけましょう。
40~42℃の水中でも数時間生き残ることができるという報告もされているそうです。温水によるダメージを受けにくい特性があるのかもしれませんね。
これらのカビや細菌にとって水や角質などのタンパク質、皮脂や汚れは全部エサです。ジメジメして過ごしやすい上にご飯もいっぱいあるお風呂場はまさに楽園といえるかもしれません。楽園を住みにくい場所に、いや彼らにとって地獄にしていくためにはどうしたらいいでしょうか。
カビを防止する3つの習慣
どんなに頑張ってもカビは浴室に入ってきて、何もしないと増えていきます。なので、カビを生やさないために大事なことは「とにかくできる限り予防をしていく」ことになります。私が習慣的に行っている予防策を紹介していきます。
すでにカビが生えてしまっている場合はまずは掃除をしてカビがいない状況をつくるとより予防効果が出ます。掃除の仕方は以下の記事がわかりやすかったです。
まずは1番目立つ、気になる黒カビ対策です。
「くん煙剤」をたく 入居~2ヶ月ごと
1番手間のかからないかつ実施する頻度が少なくて済むのが、防カビくん煙剤をたくことです。
やり方はかんたん。バルサンなどの煙で害虫を退治する製品を使ったことがある人ならすぐイメージが付くと思うのですが、お風呂の防カビも同様に付属の容器に少し水を入れて、薬剤の煙が出る筒を容器内に置いて放置するだけです。
このとき、所要時間がすぎてもなるべく長めに締め切っておいたほうがよいいわれています。私の場合は、朝~午前中にくん煙剤をつかって、夜のお風呂に湯を張るまで締め切っておいてます。
注意点はこの製品はあくまで「防カビ」。カビが生えるのを防ぐ商品です。製造元のライオンも以下のように述べています。
黒カビを落とす効果はありません。目立つ黒カビはカビ取り剤で落としてからご使用いただくと、黒カビのないキレイなお風呂をキープできます。
ライオン「Q&A _ ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」
新居に入居したてではなく、初めて使う場合は一度、掃除してからのほうが無難です。
続いて赤カビ対策です。
バスマジックリンを床などに使う 隔週
バスマジックリン、浴槽内だけに使ってたらもったいない。赤カビや排水口のぬめりを防ぐ効果もあるんです。裏の成分とか記載されているところにもちゃんと書いてあります。
私、ズボラなので大変恐縮なのですが、こちらの記載を守らずに、「隔週1回」しかしてません。でも、発生しないのは掃除後にある一手間を加えているからです。
それは50℃以上のお湯をかけているから。手強いお風呂のカビにも弱点があって、50℃以上のお湯をかけると死滅していまいます※5。
給湯器のお湯の温度を最大にします(我が家のは60℃)。なぜ50℃よりも高い温度にするかというと、仕組み上、出るときに少し冷水が加わるので温度が下がるためです。なので給湯温度をMAXにしてマジックリンの泡を流しましょう。これで本当に赤カビを見ることが減りました。
お風呂に入ったら水を切る
ここまで、2ヶ月ごと、隔週と手間のかからない方法を紹介してきました。最後に地味にめんどくさい習慣を紹介します。
それは家族全員がお風呂をすましたら、水切りをすることです。このとき、天井や壁の上部の高いところから、床まで浴室全面にかけていきます。床面や水が溜まりやすい場所は念のため、雑巾でふいて水分を取り除いておくとさらに安心です。
面倒なことをなぜしないといけないか。それは2カ月、隔週の薬剤を使用するまでの間にもカビは浴室に入ってくるからです。前半で書いたとおり、黒カビも赤カビも浴室外にも普通にいます。これらが浴室に入ってきて、美味しいご飯(皮脂や角質)に水がある環境にいたら…想像通り増えます。なので少なくとも水がない状態にしていたらカビも増えにくい環境にしましょう。
習慣化してしまえば、楽なのでぜひここは手を抜かずにやりましょう。ワイパーはマグネット式で壁面に取り付けられるタイプだと、浴室の床が散らからずにすっきり片付けられるのでオススメです。
やるとカビが発生・増えるNG習慣
最後にこれをやるとカビが増える行動も紹介します。
水で流す
この記事を書くにあたって論文を色々見ていて驚きの記述を見つけました※6。それは「水をかけると黒カビが増える」。調査内容をかいつまんで報告します。
浴室内のカビが胞子を放出する要因はなにかを調べるために、風速0.5m/sの風を当てる、湯気を発生させる、25℃の水をかけるという3つの行動をしてみました。その結果が以下の表です。数字は空気中1㎥に浮遊するカビの個数です。
処理前 | 0-2分経過 | 5-7分経過 | 15-17分経過 | |
風 | 125 | 54 | 36 | 143 |
湯気 | 54 | 36 | 18 | 54 |
水 | 75 | 40,488 | 37,863 | 23,932 |
論文でも「直後に桁違いの増加が認められた」としていますが、めちゃくちゃ増えているのがわかると思います。風や湯気よりも水をかけたり、水分を残しておくとカビが活発に胞子を出すと言えそうです。なので繰り返しですが、天井から床まで浴室全面の水を切りましょう。
閉め切った浴槽より、換気扇の仕様や窓を開けることで浮遊カビの除去効果が認められているので、換気をしっかり行うも心がけたほうが良さそうです。
換気扇の使用が3時間未満
換気扇を使用してても3時間未満の場合、壁面のカビの個数を減らす効果は弱いという調査結果があります※7。換気扇未使用、3時間未満、3時間以上のグループで、床と壁1㎡あたりのカビの個数を調べてみたものが以下の表です。
世帯数 | 壁のカビ | 床のカビ | |
未使用 | 32 | 1,180 | 413 |
3時間未満 | 29 | 814 | 422 |
3時間以上 | 38 | 532 | 597 |
換気扇は壁のカビを抑制する効果があることがわかります。お風呂を出たら換気扇を忘れずにかけておきたいところですね。
また、浴室乾燥機については、短時間でも使用すると壁でも床でもカビを抑制する効果があると結論づけています。こちらは備わっていたらぜひ使っていきたいですね。
お風呂場に関する悩みや失敗を集めて記事にまとめました。興味があれば合わせて御覧ください。
まとめ
- 場所によって生えるカビは異なるが、水や皮脂などで増えるのは一緒。
- なので毎日、水を切って乾燥機をかけるのは必須。
- その上で、定期的に薬剤を使用するとカビが生えない
3つの習慣のうち毎日水を落とすことだけが面倒かもしれませんが、カビが生えた汚いお風呂で体を洗うよりは100倍マシだと私は思います。気持ちいいお風呂にするためにぜひ日々の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか?
また、カビ対策の話題で関連して、くらしのマーケットでエアコン清掃を依頼した体験レポートもあります。エアコン清掃業者さんに業界の裏話や業者を選ぶポイントを教えてもらったので紹介しています。こちらも興味があれば合わせて御覧ください。
カビ対策を習慣化したい人は、この本がオススメ
カビ対策に浴室の水っ気をなくするのが有効とはいえ、毎日続けるのは大変ですよね。そこで、習慣化の専門書を読んで、習慣を身につける方法を学ぶのが1番オススメです。私が参考にした習慣化の本はこちら。
手近なところから習慣化する方法がわかりやすく書かれています。これで自分も「風呂にカビを生やさない」じゃなくて、「お風呂出るときにサッと水をなくす」を目標にすれば良いんだって習慣化の考え方、コツを学びました。
実用的なので、読んで損はないと思います。もしよかったらどうぞ~。
参考文献
※1、2濱田信夫「浴室のカビ汚染の現状とその対策」
※3田中辰明「住宅の室内空気環境に関する研究」
※4生物工学会誌第94巻 第4号の井原望「浴室に潜むピンクモンスター」
※5NHK ガッテン!「カビ退治!ついに終結宣言」
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