こんにちは、福田栗作(@kurisakunchi)です。このブログでは注文住宅や雨水タンクに関する話題についてユーザー目線で解説しています。
雨水タンクのメンテナンスってどうしたらいいんだろう
雨水タンクは大きなものだと一抱えぐらいあるのでお手入れやメンテナンスって大変そうに感じますよね。でも、実はそんなに大変ではないので安心してください。
それほど時間もかからずに掃除するポイントを紹介していきます。
この記事でわかること
- そもそも雨水タンクが汚れる理由。
- 雨水タンクの掃除する時期。
- 雨水タンクを簡単にお手入れする方法。
タンクの汚れが気になり始めた方や購入するか迷っている人の参考になったら嬉しいです。
雨水タンクは密閉構造なのに中が汚れる理由
雨水は海や川の水が蒸発して上空で雲になって地上に降り注いでいるため、「大自然が作った蒸留水」と言えます。なので、本来なら不純物は少ないはずです。でも汚れるには理由があります。
それは雨水タンクに流れ込む前に、屋根に降り注ぐから。
降るまでにたまった砂埃やちりなどが雨とともに流れ落ちて、雨水タンクにごみとして入ってきます。その中に藻の胞子が混ざっていると、タンク内に藻が発生する要因にもなってきます。なので密閉構造のタンクとはいえずっと使っていると中が汚れたり、ごみやヘドロが溜まったりします。
学校の校庭などの土煙が起きそうな場所が近くにあるおうちは汚れが溜まりやすい。一方で、初期雨水(最初の方に流れ込む水)をカットする機能のついた集水器を使っているご家庭だと汚れが溜まりにくいです。どれくらい汚れやすいかは家の近隣環境や使用している集水器の性能といった要因に左右されるといえます。
雨水タンクに貯めた水は腐らないって本当か、もし腐るとしたら原因は何かを解説した記事も書いてます。もしよかったらこちらもあわせて御覧ください。
掃除を1年半以上していないタンクの中は…
我が家ではホームダム250Lを2021年1月から使用してます。22年9月の台風接近を前に初めての掃除をしてみました。
まずは雨水タンクの水を抜いてみました。
底の部分を中心にだいぶ泥が溜まっているのが確認できますね。
内部の掃除方法は排水穴(ドレン)を開けたままにした状態で、ホースから水を強めに出して水流を泥に当てていきます。そうするとドレンから水と一緒に泥が流れ出てきれいになりますよ。
実際に泥を洗浄したあとのタンクがこちら。
だいぶきれいになりましたね。詳しい掃除の手順は後ほど紹介しますが、泥がそれなりにたまるということがわかっていただけたと思います。
ちなみに、雨水タンクのホームダムのレビュー記事もありますので、雨水タンク探し中の方は合わせてご覧いただけたら嬉しいです。
雨水タンクの掃除する時期
雨水タンクの掃除ですが、基本的にこまめに掃除しなくても大丈夫です。53施設、55基の雨水タンクの利用動向を調べた調査でも、清掃について「していない」が53%、「している」が17%と約3倍の開きがありました※1。
私個人で雨水タンク利用者にアンケートを取ってみた結果は以下の通りです。
頻度 | 回答数 |
毎月 | 12 |
半年に一度 | 14 |
1年に一度 | 2 |
数年に一度 | 4 |
していない | 6 |
この結果を見て驚いたのですが、想像以上にみなさん雨水タンクをメンテナンスしていました。
この他にもボウフラの発生の有無や対策、後悔しているポイントなどを聞いて、まとめてみました。他の人の雨水タンク事情を知りたい人は合わせて御覧ください。
この記事では清掃をしたほうがいいタイミングやするべきかどうか調べる方法を紹介していきます。
大雨の前
雨水タンクの掃除をいつするかやるタイミング、時期が中々掴みづらいとおもいます。そこで台風などの雨の前にやるのがおすすめです。
まず掃除をするのにタンクの水を抜くのは必須。そうなると掃除後に雨がふらなかったら、水道から水を使うしかない状態になってしまいます。
雨が降る前にやってしまえば、洗浄後の水不足の心配はゼロ。きれいな状態のタンクの中に水がしっかり貯められるので時期として最適です。
また、予め水を抜くことで一度に大量の水が排水されるのを防げるので水害の備えにもなります。雨水タンクの補助金を交付している自治体の中には、交付対象者に「大雨の前に水を抜くなど適切にタンクを扱うこと」としているところもあります。都市防災のためにも大雨の前に一度掃除してみてはいかがでしょうか。
雨水タンクの補助金について交付している自治体やその条件をまとめた記事もあります。お得に雨水タンクをゲットしたいと思っている方は合わせてチェックしてみてください。
タンクの水が濁ってきたら要注意
これが1番わかりやすい方法ですね。目で見てタンクの水に違和感があったら、洗浄するようにしましょう。じょうろやバケツに汲んだときに水が濁っていないか見ましょう。
2005年8月に大阪府10ヶ所で雨水タンクの水質測定をしたところ、雨水タンクの水の色は、無色から薄い黄緑色まで様々だっという調査結果もあります※2。タンク内の水をよくみて、変だった場合は洗うようにしましょう。
この方法の場合、使用頻度が多いと雨水がとどまらずに水が腐りにくいので変化に気づきにくいです。タンク内の水を長期間使わなかった場合に効果を発揮しやすい方法ともいえます。
フタを開けてみるのもオススメ
もう一つの方法は出てくる水を見るのではなく、フタを開けてみてしまうのも手です。
このとき中を水の色をチェックするというよりは藻が浮いていないかをしっかり見ましょう。次いで確認しておきたいポイントは、ちゃんと底まで見えるかです。底が見えない場合は砂埃などの沈殿物がだいぶ溜まってきていると考えられるので中のごみをとりのぞいてあげましょう。
予めタイミングを決めてしまう
タンク内をそこまでこまめに洗わなくても大丈夫なので、いっそ、年1回タイミングを決めて洗うというのが1番わかりやすい方法です。
例えば、大掃除のときや梅雨明け後に、はたまた使用頻度が下がって水が溜まりやすい冬入り前にとちょうどよい、わかりやすい時期を決めて洗ってしまうというのが確実に忘れずにキレイにできますね。
ボウフラが発生したとき
雨水タンクの内部にボウフラが発生したときも掃除したほうが良いです。放置しておくと蚊が大量発生してしまうのでまずボウフラをタンク内から一掃しましょう。
そして、水を捨てるだけではなく、タンク内についた卵も忘れずに落とす必要があります。ヤブカの卵が水没すると孵化するので、ボウフラを除去しても卵が残ったまま水が溜まったら再びボウフラが発生するからです。掃除のタイミングとしてボウフラが発生したら、水を捨てて絶対に掃除をしましょう。
ボウフラの生態から発生を防ぐ方法や発生時の対処を解説してますので、もし興味があればあわせて御覧ください。
お手入れ方法
雨水タンクの掃除するときはタンク内の水がある程度減っているときがオススメです。満タンの状態や水が多いときに掃除しようとするとタンク内の水を抜くだけでも時間がかかるから。
中の水量を確認するのが面倒な人向けの確認方法は「反響音がするかどうか軽くタンクをノックする」。満タン時と少量時だとノックしたときの音が変わるのを利用するとお手軽にわかります。少ないときの軽いコンコンという音のときに掃除を始めると時短になります。
タンクを洗う手順
- タンク内の水を抜く
- 集水器のごみをとる
- 中を洗う
- 元に戻す
まず最初に排水ドレンを開けて水を抜きます。だいたいタンクの下部にあるのでこちらを開けて、水がない状態にします。
このとき、蛇口をひねったときとは水の出る勢いが違うので要注意です。タンク内の水量にもよりますが、割と勢いよく出るので水がかからないように気をつけましょう。
最初に水を抜く理由としては、水を抜いている間に他の作業ができるからです。参考までに正確に測っていないのですが、ホームダム250Lを3分の2程度水が溜まった状態から排水したところ、水を出し切るまでに5~10分程度かかりました。水がなくなるまでの間に集水器の掃除をしましょう。
集水器の掃除をするときは必ず軍手をつけて行ってください。カットした雨樋の先は鋭いので手を切るなどの怪我をするリスクがあるからです。手を守るように心がけてください。
集水器の掃除の仕方は、集水器を開けてみてフィルターに汚れがないか確認します。ある場合は、集水器からフィルターを外して、排水ドレンから流れ出る水でサッと汚れを洗い落とします。目立つ汚れがない場合は落ち葉や虫の死骸などのごみなどをとって元に戻せば大丈夫です。
タンク内の水がなくなったら、いよいよ中の掃除です。高圧洗浄機があればベストですが、なくても大丈夫。ホースを使って内壁に水をかけて汚れを落としていきます。底にごみが溜まっていないか、溜まっていたら取り除いて、完了です。
排水ドレンを閉じて元の状態にもどしましょう。外側で気になる汚れなどがあったらついでに拭き掃除などで取り除いておきましょう。
まとめ
- 雨水タンク内が汚れるのは屋根や雨樋の土埃が流れ込むから。
- こまめに掃除をしなくても大丈夫、半数以上の人はしてない。
- 水が濁るなどの変化に気づいたら掃除のチャンス。
- まず水を抜いてから集水器を掃除して、最後に内部をキレイにすればOK。
約半数以上が掃除をしていないという結果に勇気づけられた人は多いはず。私もその一人です笑。
濁るなどの水質が悪くなってきたと感じたとき以外は神経質にならなくても大丈夫といえそうですね。
タンク内が気になってきたという人はこれを機会にメンテナンスはいかがでしょうか?
メンテナンス情報以外にも設置にかかる費用やボウフラ対策、補助金などについてお役立ち情報をまとめています。雨水タンクに関する疑問を解消する内容ですので、もしよかったら御覧ください。
参考文献
※1 柴早苗「雨水活用のもう一つの課題~貯留雨水の水質はどうか?~」
※2 大阪府「誰でもできる 楽しい雨水利用」
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