こんにちは、福田栗作(@kurisakunchi)です。このブログでは注文住宅や雨水タンクに関する話題についてユーザー目線で解説しています。
金木犀(キンモクセイ)をシンボルツリーで植えようか迷っているだけど…
秋になると良い香りで楽しませてくれるキンモクセイ。人気樹種だけにお庭に植えてみたいと考えている人向けに、シンボルツリーや生け垣に採用した人が感じた「良かった点」や「後悔・失敗したポイント」を紹介していきます。植えた人の本音なので参考になったら嬉しいです。
この記事でわかること
- キンモクセイの香りの秘密や育て方
- キンモクセイを植えた人が感じる良かった点や失敗・後悔などの本音
キンモクセイとは?
キンモクセイの基本情報
- 分類:モクセイ科モクセイ属
- 原産地:中国
- 開花時期:9~10月
- 近年「2度咲き」をするケースも見られるようです※1。
- 樹高:5~8m(常緑性中高木)
- 剪定:花が終わった直後から4月上旬までが適期
- 混んでいる部分の出たを間引く
- 花が咲いた枝も基部の葉を2対ほど残して切りつめる
- 強剪定は枝枯れしやすく、復元に数年を要するので注意
キンモクセイの特徴
キンモクセイは漢字で書くと「金木犀」。犀は「サイ」と読むのですが、字の通り動物のサイのことを表す漢字です。樹木なのになんでサイ?って思うかもしれませんが、これは樹皮がサイの皮膚、足に似ていることにちなんでいます。
ちなみに日本に植えてあるキンモクセイのほとんどが雄株です。江戸時代に中国から入ってきたものの多くが香りの良い雄株だったことから、日本にあるキンモクセイで雌株を見つけるのは難しいそうです。なので日本のキンモクセイはとても良い香りを出すだけで種子をつけることはありません。増やす時は挿し木で増やしてきました。
金木犀の香りの秘密※2
昔のトイレは汲取式。いわゆるボットン便所と言われる排泄物を水で流さないタイプでした。そのため臭いニオイがすることから、悪臭対策にトイレの近くに植えられていました。芳香剤としても利用されてきたので、キンモクセイの香り=トイレというイメージが根付いている方もいます。ただ、香りは良いので中国では酒に漬け込んで「桂花陳酒」というリキュールにしたり、お茶として楽しんだりもされています。
この香りには虫が避ける効果もあるそうです。特に一部のチョウが嫌がるという報告がされてます。一方でハナアブ類の虫は好むので、植えたら完全に虫除けになるというわけではなさそうです。
キンモクセイの育て方
性質はとても丈夫です。日当たりのよい場所のほうが花つきに優れていますが、半日陰程度
姫路市「一戸建住宅記念樹 キンモクセイ」
でも花つきは悪化しますが十分育ちます。やや湿った場所を好み、強い乾燥は苦手です。通
風を確保しないとカイガラムシやその他害虫を招きますが基本的に病害虫には強いです。少
し寒さに弱く、強い北風や真冬の刈り込み・植えつけは避けます。
キンモクセイの病害虫
キンモクセイの一番気をつけたいのが「カイガラムシ」です。風通しが悪いと発生するのですが、放置すると「膏薬(こうやく)病」の原因になります。
薬をベトッと塗ったように幹や枝が菌糸に覆われるのが特徴で樹皮の昨日が低下するので木を衰弱させる厄介な病気。全て覆われるほどになると枯死するケースもあります。カイガラムシについている菌が菌糸を伸ばすことで発生するため、カイガラムシを見つけたら、防除するのが最大の対策になります※2
調査の概要
シンボルツリーに関する調査
クラウドワークスを利用して、「シンボルツリーに関する調査」と題して2022年10月23日~24日に調査を行い、110件の回答を集め、追加で2022年10月25日~30日に90件の回答をいただきました。
質問内容は以下の3問で自由回答形式です。
- ご自宅に植えているシンボルツリーの樹種を教えてください。
- シンボルツリーを植えて良かった点、気に入っているところを教えてください。
- シンボルツリーを植えて後悔している点、失敗したポイントを教えてください。
この調査の結果で、キンモクセイは15票を獲得して4番人気でした。1位のオリーブ、2位のシマトネリコ、3位のハナミズキについても同様にまとめています。シンボルツリーの樹種をお迷いの方は合わせてご覧ください。
なお、200件の回答結果をまとめてランキング形式にまとめた記事もあります。他の樹種について迷っている人はこちらも合わせてご覧ください。
生け垣に関する調査
クラウドワークスを利用して、「ご自宅の生け垣に関する意識調査」と題して2023年3月20日から4月2日までの間、アンケート調査を行い、113件の回答を集めました。
質問の内容は以下の3問で自由回答形式です。
- ご自宅の生け垣に採用した樹木、樹種を教えてください。
- その樹木、樹種にして良かった点、気に入っているところを教えてください。
- その樹木、樹種を巡る後悔や植えて失敗したポイントを教えてください。
この調査で、キンモクセイは6票獲得し3位に輝きました。
1位はカナメモチ、レッドロビンの15票。カナメモチとレッドロビンを植えた人の声もまとめました。2位は9票獲得したサザンカで、こちらも同様に生け垣に採用して良かった点などをまとめています。
また、このアンケート結果をまとめてランキング形式で人気樹種を紹介した記事もあります。植栽を迷っている人は合わせて御覧ください。
キンモクセイを植えた人の本音
キンモクセイをシンボルツリーに採用して良かった点
他の木では「家がおしゃれになった」「四季を感じる」などの意見もよく見られるのですが、キンモクセイはやはり花の香り良いという声が圧倒的でした。それ以外の理由がなかったので、このまま原文ママで紹介していきます。花の香以外の項目にはアンダーラインを引いてあるので合わせて参考にしてみてください。
- 秋になるといい匂いの花が咲くのと、オレンジ色の花が可愛くて癒されることです。
- 秋とても良い匂いがすることと、日陰を作ってくれること。
- 日本の代表的な芳香木なので、秋には癒されます。
- 秋にお庭がいい香りで満たされる
- 毎年、秋になると、枝いっぱいにオレンジ色の花をつけ、良い香りを出してくれます。
- 秋になると、良い香りが漂ってくる
- あまり大きくならないのと病気に強く手間がかからない、秋に良い香りがする花が楽しめる。
- 秋になると鮮やかなに色めいてくれるから
- 秋になると香りが良くなるところ
- 秋に良い香りが楽しめる
- 秋になると甘い香りが漂うのでとても癒される。
- 金木犀などなかなか売っていないため珍しく、秋くらいになると花が咲きいい香りがする。
- 香りが良くリラックス出来る
- キンモクセイの甘い香りがいい。
- 花が咲く季節になると華やかな気分になります。金木犀は香りが良いので、庭に出ると気分が良いです。
花が好きな人にはサクラも検討してみてはいかがでしょうか。同様にアンケートの回答をまとめた記事がございます。また、ウメに関しても同様に植えてみた人の声をまとめてみました。この他にツバキについても同様に記事がありますので、興味があれば御覧ください
キンモクセイをシンボルツリーにして失敗・後悔した点
キンモクセイの後悔としてよく挙げられていたのは「剪定」でした。シンボルツリーあるあるといってもいいかもしれません。ついで、悩みのタネとして目立ったのが掃除です。特に小さくて可愛い花でも落ちた後の処理には困る様子が見受けられました。それぞれコメントを紹介していきます。
剪定
- 葉っぱが厚く全体的に少し重い印象になるので目隠し目的でなければ透かし剪定が必要。
- 枝が結構広がり、幹もかなり太くなるので、敷地外にはみ出てしまうので、よく枝切をしています。
- すぐに成長して切らなければならないから
- 特にないが、年々大きくなるので、せんていが必要となる。
- 落ち葉や虫などの処理、剪定など
掃除
- 花が落ちた後の掃除が大変です。
- 花が落下すると掃除をするのが少し面倒。
- 葉がかなり落ちるので掃除が大変になった。
キンモクセイに限らず、花や落ち葉の掃除に悩む声は落葉樹などを植えている人から多くあがっていました同じ落葉樹でアオダモにも同様に植えた人は落ち葉に悩まされていたので掃除が大変という点は注意が必要かもしれませんね。
また、ジューンベリーも実や鳥の糞の掃除に悩む人が多かったです。掃除が悩ましい木を植えた人の声が気になる方は以下も御覧ください。
管理
- 花びらがあちこちに舞ってしまうので、近所に迷惑がかかる
- 家屋に近すぎるところに植えてしまったこと
- 植えた位置がずれた事と、枝葉の剪定が面倒です。
その他
- 庭の隅っこに植えてしまったので近くに行かないと匂いが届かないことです。
- 虫、特にクモがつく
- 台風が来たときに強風に揺られて折れそうなのが後悔している
キンモクセイの生け垣にして良かった点
- とにかく秋が楽しみでした。少し奥まった場所、いわゆる隣の家との境界線に植樹していただくことにより、香りが逃げにくいので植樹以外のお花も香りを長く楽しめるのが構造上のメリットでした。生垣という観点からすると花が咲かない種類でもよかったのですが年中緑であるのも寂しく思い、大好きなキンモクセイにしました。季節が楽しめる樹木がおすすめできます。
生垣に高さは比較的高くしてあります。道路側の植樹であれば背丈ほどの高さで周りからの目線がちょうど隠れる程度に揃えてよいと思うのですが、我が家は道路に面した側ではないので高さを整えることはせず、樹木本来の高さにして手入れはしないようにしてあります。伐採されているご自宅の方もおりますが、樹木本来の面からすると、自由な高さで生育させてあげた方が樹木にとってもも負担のない成長なのかと思っております。
それにより、業者にお願いして手入れをする費用が省けるのがメリットだと思います。剪定業者の費用も毎回頼むことはもったいないと思います。また、自分自身で剪定する力や技術もないので、あるがままの姿の樹木というスタイルを大事にしています。 - 香りがとにかく好きなので、秋になるのが待ち遠しい
- 春にはミモザが咲き、庭が明るくなり、秋には金木犀と銀木犀が咲き、窓を開ければ香りがして、リラックスできる。
- 秋になるとキンモクセイの花からいい香りが漂う点が気に入っています。
- 毎年春・秋2回の開花します。開花前より良い香りが楽しめます。春先には黄緑色と赤茶色の新芽から夏の強い日差しにもビクともしない。害虫に食われたり大発生する事もありせん。
- 香りがとても良い
キンモクセイの生け垣を巡る失敗、後悔
- あまり失敗というようには感じておりません。お気に入りの樹木でお気に入りの香りに包まれて幸せだと思います。お花が咲き終わり、一面がオレンジになる姿は季節を楽しめると思っております。
若干気になりますことは虫です。春ごろは毛虫などが多く集まる傾向があります。あまり虫が得意ではないので季節を考えながら殺虫成分のあるスプレーで時々メンテナンスをしております。
香りや虫でご近所からクレームなどは現在、伺っておりませんので安心できております。落葉は少ないタイプなので秋や冬に枯れ木のお掃除が不要なのが便利だと思います。生垣の高さを揃えておくことで本来は防犯対策にもなるかと思いますが、我が家は道路側ではなく隣の家との境界線で植樹したので高さを揃えるような手入れはやめました。樹木の伐採はごみが増えてしまいます。わざわざ剪定することなく、自然はあるがままの姿が一番ナチュラルで素敵だと考えております。
防犯対策については道路に面していないため剪定の必要性は感じておりません。樹木本来の姿をら大事にしてあげるのも地球環境に優しいと思います。 - 縁起が良く無いと後から知ってちょっと不安になった(だけど対して気にして無い)
- ミモザも金木犀も花が散るので、掃除が大変なところ。
- 剪定した際に枝を刈り過ぎると密度が減ってしまい、自宅敷地内が外から丸見えになる点がキンモクセイを選んで後悔している点です。剪定が難しいので、毎年園芸業者さんに作業を依頼しており、維持コストがかさんでいます。
- 開花時に雨が降ると一気に落ちてしまいオレンジの絨毯になります。濡れた路面では小花の掃除がやりずらく、取り残しがあると茶色く汚らしくなります。葉がギザギザとし厚みもあり秋から冬は枯れた葉の特に掃除が大変です。
- 花が散ったときの掃除が大変
まとめ
- キンモクセイは香りが最高に良いので花の時期は植えてよかったと思うこと間違いなし。
- ただ花が散ったあとの掃除が大変に感じる人も一定数いる。
- 大きく育つので剪定に苦労するケースもある。
植えたら素敵な香りで家を包み込んでくれるキンモクセイ。シンボルツリーや生け垣に採用した人のほとんどがその香りを楽しめるので植えてよかったポイントだとしていました。一方で花の掃除や大きくなりすぎて剪定や管理が大変などの後悔も垣間見えました。
余談ですが、植えるのも切るのも樹木について悩んでいる場合はプロにおまかせするのが一番です。植物は話しかけたり仕草を見せたりしないので自分の行なったことが正解だったのかわからないのが育てる上で一番むずかしいポイントです。管理人も実際に生け垣を管理していてもこれであっているかよくわからないまま過ごしてます。
そういう不安がある人は年間受付件数20万件以上を誇る、その道のプロ「【剪定110番】」に相談してしまいましょう。24時間受け付けている電話相談、プロが実地で見てくれる現地調査、現場を見た内容に基づく正確なお見積もりの3つが無料でしてもらえます。もちろん作業後の追加料金はなしで全国どこでも対応可能です。庭木1本から対応しているので気軽に聞いてみるのがオススメです。
シンボルツリーに関する情報以外にも外構のスケジュール感や減額方法など外構に関する基礎知識や役に立つ情報をまとめています。もし興味がありましたら、御覧ください。
参考文献
※1:「夏季から秋季にかけての気温がキンモクセイの開花に及ぼす影響」
※2:宮内泰之「恵泉 樹の文化史(12)」
※3:国土技術政策総合研究所「樹木が受ける障害」
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