こんにちは、福田栗作(@kurisakunchi)です。このブログでは注文住宅や雨水タンクに関する話題についてユーザー目線で解説しています。
ツバキを庭に植えたいけど実際どうなんだろう…
113人にご自宅の生垣に関するアンケートを行ったところ4人が植えていると回答したツバキ(椿)。またシンボルツリーに関するアンケートでは3人が植えていると答えていました。
この記事ではご自宅に植えるか迷っている人向けに、回答者が実際に植えて感じた「良かった点」や「後悔・失敗したポイント」を紹介していきます。管理人も家のシンボルツリーはツバキなので、実際のところも解説します。
ツバキ(椿)の基礎知識
ツバキ(椿)の基本情報
- 分類:ツバキ科ツバキ属
- 原産地:東南アジアの亜熱帯~温帯
- 開花時期:10月~5月
- 樹高:1.5~10m
- 剪定
- 時期:花が終わった直後に行えば翌年も咲く
- ポイント:花が散った状態の枝先から2~3葉残して切る。
ツバキ(椿)の育て方※1
- 植え付け
- 4~5月上旬および9~10月上旬が適期
- 乾燥を嫌うので湿度を高める
- 枝葉が多い苗は切り戻して、根の負担を軽くする
- 施肥
- 2月上旬~中旬に油かすと骨粉を等量混ぜたものを与える
- 8月下旬には油かすと粒状化成肥料を等量混ぜて与える
ツバキ(椿)の病害虫※2
ツバキ(椿)の病気
- 輪紋葉枯病
- 時期:4~6月、9~10月
- 病態:初期は葉に赤褐色の斑点が生じ、1~2cmの斑ができる。ひどい場合は樹勢が衰え、枝枯れする。
- 対処法:病気の葉っぱを早期に摘み取り、処分する。
- もち病
- 時期:新葉が開く頃から新しい梢や葉に発生する。
- 病態:葉が持ち上に膨らむ。葉が淡い緑色になり、最終的に白い粉状のもので覆われる。
- 対処法:病気の葉っぱが白い粉に覆われる前に摘み取り処分する。殺菌剤は効果が薄い。
ツバキ(椿)の害虫
- チャドクガ
- 発生時期:幼虫は5~6月と8~9月
- 被害:葉を食害される。成虫、幼虫、マユ、卵塊すべてに毒があるので刺されると激しい痛みに襲われる。
- 防除法:卵塊のある葉や初期に群生している幼虫を除去する
- スギタニモンキリガ
- 発生時期:成虫が10~11月に羽化、夜間に花芽に産卵する。2月ごろから幼虫が蕾の内部を食べる
- 被害:蕾や花の内部が食害され花が咲かなくなる
- 防除法:落ちた花を集めて処分する
ツバキ(椿)の雑学
ツバキ(椿)とサザンカの違いは?※3
よく言われる違いの見分け方は花びらがバラバラに落ちるのがサザンカ、花全体が落ちるのがツバキ。
葉でも見分けられます。ギザギザがあるのがサザンカ、ないのがツバキ。
また、開花時期も違っており、晩秋~冬に咲くのがサザンカ、冬~春になるのがツバキ。
交配種もあるので一概に区別できない品種もある。
ツバキ(椿)を庭に植えたらいけないってホント?
椿を庭に植えたらいけないと聞いたことありませんか?
害虫が出るから?
代表的な害虫、チャドクガはかゆみだけでなく激しい痛みもたらすので避けたいですよね。
でも、避けた方がいい理由は他にありました。
人類学雑誌第29巻第2号に、武士の忌詞を紹介する箇所に「(上略)椿は武家に用ゐぬ事、花の首もろく落つるを以ての忌事、いふに及ばず」とあり、花がボトッと落ちるのが首が落ちる(斬首)に通じることから避けられたのでしょう※4。
ほかにも植えるのを避けられている理由が書かれた論文を見つけたので紹介します※5
先ほど紹介した首が落ちるのを連想して避けている地域は千葉、東京、山梨、長野、岐阜、富山、和歌山、岡山、広島、鳥取、愛媛、熊本。
このほかに「気が屋根より伸びると凶兆」という考えから愛知県では避けられているそうです。
また、寺院や神社に植える気は民家に植えてはいけないという考えもあり、群馬と東京では禁忌とされていました。
この他に植えてはいけない木として、カキやツツジが紹介されていました。それぞれ記事中で紹介してますので、気になる方は合わせて御覧ください。
https://ietateta-tips.com/niwaki-tsutsuji-yokatta-and-koukai/
ツバキ(椿)育ててみた
1年目は大失敗
我が家もシンボルツリーはツバキ。選んだ理由は伊豆大島に旅行に行った縁で、ツバキがすごく好きになったから。キレイな花を咲かせるツバキをうちの庭にもと思ったのがきっかけです。
外構の完成、引き渡しが年の瀬で、1.6mくらいのツバキを植えてもらいました。
我が家は角地で、遮るものがない日当たり最高の場所に凛として立つ一本のツバキ。その姿をとても気に入りました。
それから、数ヶ月は地面が乾燥したら水をやって、春が過ぎ夏になりました。
ここまで順調に育って根付いてきているかなと思ったのと、暑さで水やりを横着してしまったこともあり、少しずつ水やりの頻度が落ちていきました。
だんだん葉が元気がなくなり、心配になり、外構業者に見てもらったら「枯れてますね」と一言。残念すぎる。
「よくあるのですが、夏に水をあまり与えないと枯れることが多いです」
とのことでした。12月を待って、また植えてもらいました。
2年目以降は
メチャクチャ元気。
今、思い返せば最初の木はちょっと元気がない雰囲気だったかも。
反省を活かして、夏と言わずどの時期も水は絶やすことなくよく水やりをしてます。
植えて半年後に天然植物活力液「HB-101」を与えるようにしました。週1回、希釈した水をまくのと葉に霧吹きで吹き付けてます。今のところはチャドクガなどの害虫はなく、スクスク育ってます。
植えてみて感じた良い点・後悔
良い点
- ちゃんと剪定して花つきをよくすると本当にキレイに咲き誇ります。見てて気分がめちゃくちゃいいです。
- 蕾ができて、花が咲くまでがじっくり楽しめるので、子どもに季節感を感じてもらいやすい。
- チャドクガが発生していないので、水やりと剪定以外の手間がかかっていない。
- ツバキの種はベタッとした肌触りなのですが、娘に触らせて、椿油の話などをしてあげることで自然学習が手軽にできる。
後悔・失敗
- 1年目に枯れさせてしまったこと。夏場の水やりは本当に重要だと感じました。
- チャドクガが恐ろしすぎて、しょっちゅう葉っぱを観察すること。心配性な性格もあるのですが、地味にめんどくさいです。
調査の概要
シンボルツリーに関する調査
クラウドワークスを利用して、「シンボルツリーに関する調査」と題して2022年10月23日~24日に調査を行い、110件の回答を集め、追加で2022年10月25日~30日に90件の回答をいただきました。
質問内容は以下の3問で自由回答形式です。
- ご自宅に植えているシンボルツリーの樹種を教えてください。
- シンボルツリーを植えて良かった点、気に入っているところを教えてください。
- シンボルツリーを植えて後悔している点、失敗したポイントを教えてください。
この調査の結果で、ツバキは3票獲得していました。
1位のオリーブ、2位のシマトネリコ、3位のハナミズキについても同様に植えた人の声をまとめています。シンボルツリーの樹種をお迷いの方は合わせてご覧ください。
なお、200件の回答結果をまとめてランキング形式にまとめた記事もあります。他の樹種について迷っている人はこちらも合わせてご覧ください。
生け垣に関する調査
クラウドワークスを利用して、「ご自宅の生け垣に関する意識調査」と題して2023年3月20日から4月2日までの間、アンケート調査を行い、113件の回答を集めました。
質問の内容は以下の3問で自由回答形式です。
- ご自宅の生け垣に採用した樹木、樹種を教えてください。
- その樹木、樹種にして良かった点、気に入っているところを教えてください。
- その樹木、樹種を巡る後悔や植えて失敗したポイントを教えてください。
この調査で、ツバキに集まったのは4票でした。
シンボルツリーと同様に1位のカナメモチとレッドロビンを植えた人の声もまとめました。2位は9票獲得したサザンカで、こちらも同様に生け垣に採用して良かった点などをまとめています。
また、このアンケート結果をまとめてランキング形式で人気樹種を紹介した記事もあります。植栽を迷っている人は合わせて御覧ください。
ツバキ(椿)を植えた人の本音
ツバキ(椿)を植えて良かった点
生け垣にした人の意見
- 手入れが簡単でとても扱いやすいところがいいなと思っています
- 椿の花が咲くころは、生垣全体が赤い花に覆われ、きれいに見える
- 冬に強いことと、綺麗な花が咲くのが良かったです。
そんなに大きくならないことと、切りやすいのが良かったです。 - 普段は緑が美しく、椿なので年に一度花が咲くところ(胡蝶侘助)
シンボルツリーにした人の意見
- 花が咲く時期には、沢山花が咲いて綺麗な所
- 花が咲くので華やかになる
- 花が咲いたときに居間から庭を眺めるのが楽しいところ
生け垣でもシンボルツリーでも花を評価する声がほとんどでした。
きれいな花が庭を彩ってくれるだけでも植えてよかったって思うこと間違いなしです。
他にも花がキレイな樹種を庭に植えた方の声をまとめていますので、興味がある方は合わせて御覧ください。
ツバキ(椿)を巡る後悔・失敗
生け垣を巡る後悔・失敗
- 大きくなりすぎてしまうところがちょっと辛いなあと思います
- 花が枯れるときは、花ごと落ちる。大きな花なので、花が咲き終える頃には、生垣の下が枯れた花でいっぱいになるので、掃除が大変。
- 花がそのまま落ちるので掃除が大変でした。
害虫が発生してご近所とのトラブルになりかけたため、撤去しました。 - 虫がつくところ(胡蝶侘助)
シンボルツリーにした人の後悔、失敗
- 花が散った後が汚い点
- こまめなお掃除が地味に骨がおれる
- 大きくなりすぎて道にはみ出そうなので剪定が大変なところ
まとめ
- 実際に枯らしてしまった経験から、夏場の水やりは最重要
- 植えてよかった点はやはりキレイな花。満開になると見ていて気持ちがいいです。
- 一方で花の掃除で公開する人も…
冬場にキレイな花を咲かせ家を彩ってくれるツバキ。シンボルツリーや生け垣に採用した人のほとんどがその美しい花を植えてよかったポイントだとしていました。一方で花の掃除や大きくなりすぎて剪定や管理が大変などの後悔も垣間見えました。
余談ですが、植えるのも切るのも樹木について悩んでいる場合はプロにおまかせするのが一番です。植物は話しかけたり仕草を見せたりしないので自分の行なったことが正解だったのかわからないのが育てる上で一番むずかしいポイントです。管理人も実際に生け垣を管理していてもこれであっているかよくわからないまま過ごしてます。
そういう不安がある人は年間受付件数20万件以上を誇る、その道のプロ「【剪定110番】」に相談してしまいましょう。24時間受け付けている電話相談、プロが実地で見てくれる現地調査、現場を見た内容に基づく正確なお見積もりの3つが無料でしてもらえます。もちろん作業後の追加料金はなしで全国どこでも対応可能です。庭木1本から対応しているので気軽に聞いてみるのがオススメです。
シンボルツリーや生け垣に関する情報以外にも外構のスケジュール感や減額方法など外構に関する基礎知識や役に立つ情報をまとめています。もし興味がありましたら、御覧ください。
参考文献
※1:講談社編「ガーデン植物大図鑑」(講談社)
※2:福岡県「【花き花木】病害虫・雑草の発生生態と防除」
※3:農研機構「サザンカ(山茶花)」
※4:「人類学雑誌第貳拾九卷第貳號」
※5:飛田範夫「庭園植栽の禁忌」
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